南極と福島

先週から始まった『南極大陸』というドラマ…演技達者な犬たちがたくさん出ている。今日の2回目も見るつもりでいた。もちろん、地デジ難民なのでワンセグで…。
でも、やっぱり見ないことにした。

この話は誰もが知っているとおり、いずれカラフト犬が南極に置き去りにされる場面が出てくる。どうしても、そのシーンを見るに耐えない。
だって今もそれと同じことが、福島の原発事故による警戒区域では起こっているから…。そして、ボランティアの人たちがブログ等で公開している餓死した動物たちの姿が、カラフト犬と重なってしまうから…。

開局何十年記念とかで、すごい費用をかけて作ったドラマらしいけど、その費用には多大な電力料金も含まれているはずで、そのドラマが高視聴率を取っているということは、各家庭でのTV視聴により更に電力を使っているはす…。そういう人間の求める身勝手の積み重ねによって、福島ではあの事故以降、たくさんの動物がタロやジロの仲間たちのように繋がれたまま、食料がないままで放置されて、息絶えている。おそらくはドラマを見ているその瞬間にも…。
福島で、犬や猫や色々な動物を家族として飼っていた人たちの中には、助けに行けなかったことを今も後悔している人が大勢いるはず…そんな人たちには、このドラマは辛すぎるでしょう。

でも、この番組から福島の動物たちを思い起こす人が、果たしてどれくらいいるんだろう…。せめて番組の最後に、写真1枚あるいはメッセージ1つでも流してくれたら、被災地の動物に目を向ける人が増えてくれると思うんだけど…。高視聴率なら、効果もあるはずだし…。そうすれば、動物や自然に対する日本人の意識を変えられるんじゃないかなぁ…。

50年前の南極よりもっと過酷な今の福島にいる動物たちに、目を向けてほしい!

だから、無関心な人たちへのささやかな抵抗として、あのドラマはもう見ない!