1年ぶりの東北

今年諦めたらきっともう次はないだろう…と思い、締め切りのギリギリまで悩んで、セミナーの申し込みをした。

昨年同様に気仙沼に宿泊して、毎日陸前高田に通った。

1年前に見た気仙沼のあの船はもうなくなり、周囲は嵩上げが始まっていた。でも、港の周辺はまだ去年のままで、復興市場もそのまま…。「来年はもうこの市場はないよ」と去年言われていたので、何も変わらずにまだお店があったことに驚いた。懐かしいお店に寄り、美味しいものを再び食べられたのは嬉しかったけど、被災した建物も、周囲の景観も、何も変わっていない…つまり復興が進んでいないのを目の当たりにして、悲しくなった。でも、地元のお祭りはちゃんと行われていて、去年よりも賑やかになったらしい。

一方で、隣接する陸前高田は、景観がすっかり変わっていた。嵩上げの土を運ぶベルトコンベアー…山が消えていた。去年は、他県ナンバーのたくさんのダンプカーが行きかい、すごい数の重機がおもちゃのように動いているのが見渡せた。奇跡の一本松を見に来ている人も去年より少ない感じ…何より松の姿が目立たなくなっていた。

3年5か月…離れて住んでいて、普段はもう被災地を忘れてしまっている者にとっては、本当にあっという間に過ぎた時間…でも被災地はまだまだ復興してなんかいない。

本当は来年も行きたい。忘れないために…そして時間の経過をきちんと認識するために…。